生活保護受給者が死亡した場合、アパートの退去費用は誰が払うのか、どれくらいかかるのかトラブルになるケースもあります。
基本的に相続人が家財処分など遺品整理を行う必要がありますが、連帯保証人やアパートの所有者がする場合もあります。
- 生活保護のアパート退去費用の内訳
- 生活保護受給者が死亡したときの遺品整理の注意点
遺品整理を行う際の参考にして下さい。
生活保護受給者が死亡した場合遺品整理は相続人が行う
生活保護受給者が死亡した場合、遺品整理を行うのは相続人もしくは物件の所有者です。
ただし、賃貸契約の退去の項目に「遺品整理費用を負担する」とある場合は、連帯保証人が遺品整理を行う必要があります。
相続人が「アパートの退去費用を払えない」と相続放棄をしたり、連帯保証人が亡くなっている場合は、物件の所有者か行政・自治体が負担することもあります。
遺品整理費用は生活保護費からでない
遺品整理費用は生活保護費からは補助してもらえません。
あくまで生活保護は、国の補助なしでは生活できない人に対して補助金が支払われるという制度だからです。
施設入居の際の退去費用も、生活保護で支給してもらえない場合が多いです。
生活保護の受給者が亡くなったあとの手続きや、遺品整理の費用は補助の対象外となります。
生活保護受給者の通帳に預金があった場合は、相続人が相続するのでそこから遺品整理の費用を賄えばよいでしょう。
遺品整理は相続人が中心となって行う必要がありますが、相続放棄した場合は連帯保証人・物件の所有者が遺品整理をしなければなりません。
相続放棄については>>遺品整理は相続放棄したらできないを参考にして下さい。
生活保護のアパート退去費用の内訳
生活保護の受給者が死亡した場合、アパートを退去する費用の内訳を確認しておきましょう。
- 遺品整理の費用
- 現状回復費用
- 退去までの家賃
アパートの退去費用を抑えるためには、なるべく早く遺品整理の作業に取り掛かりましょう。
遺品整理の費用
生活保護の受給者が死亡した場合、遺品整理をするための費用が発生します。
遺品ドット東京での料金相場を参考にして下さい。
遺品整理業者の料金・費用の目安 | 自分で行う遺品整理の料金・費用相場 | 間取り |
---|---|---|
23,000~100,000円 | 0~100,000円 | 1K/1R |
36,000~150,000円 | 10,000~100,000円 | 2K/1DK |
58,000~250,000円 | 30,000~250,000円 | 1LDK/2DK |
76,000~350,000円 | 50,000~300,000円 | 2LDK/3DK |
94,000~450,000円 | 70,000~350,000円 | 3LDK/4DK |
遺品整理整理業者に依頼する料金を抑えたい場合は、できる範囲の家財処分は自分でやってから依頼するとよいでしょう。
遺品の量や立地によっては料金が変動します。
依頼する場合は必ず2~3社に見積もりを取って相場を確認してくださいね。
優良な遺品整理業者を選ぶために>>遺品整理の優良業者おすすめランキング10選も参考にして下さい。
原状回復費用
物件の原状回復にかかるクリーニング代の費用も発生します。
アパートの退去には、遺留品の処分だけでなく壁紙の修復や床のクリーニングなどの原状回復が義務となっているからです。
ゴミ屋敷であったり、生活保護の受給者が孤独死をしたりした場合は、部屋が汚れて一般的な清掃では対応できない場合もあります。
ゴミ屋敷・孤独死の特殊清掃に関しては>>遺品整理と特殊清掃の繋がりの記事で費用等詳しく紹介しています。
退去までの家賃
生活保護の受給者が死亡してから、遺品整理・原状回復を終えてアパートを退去するまでの家賃もかかります。
遺品整理に時間がかかると、負担する家賃も高くなるので退去作業は短期間に終わらせましょう。
アパートの間取りが小さければ作業はすぐに終わりますが、特殊清掃などが必要な場合は日数がかかることもあります。
生活保護受給者の遺品整理の注意点
生活保護の受給者が死亡した際の遺品整理には、いくつか注意点があります。
- 相続放棄の申請は3ヶ月以内
- 退去作業は早く行う
- 葬祭扶助が該当するか
- 遺言書を確認する
- 粗大ごみ手数料の減免措置は生前のみ
- 孤独死の場合は遺品整理業者への依頼がおすすめ
相続放棄の申請は3ヶ月以内
相続放棄の手続きは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述書を提出しなければなりません。
相続放棄の申述についてはこちらを参考にして下さい。(相続の放棄の申述書(成人))
生活保護の受給者が死亡した場合、相続人は相続放棄の手続きをすることで遺品整理をする必要がなくなります。
遺品整理の回避だけでなく生活保護を受けていた人が借金や負債があった場合、相続人はその負の遺産も相続の対象です。
それを避けるためにも相続放棄をしたいと思う場合もあるでしょう。
ですが、相続放棄をするとすべての財産を放棄することになるので、資産の部分も受け取れなくなります。
退去作業は早く行う
退去作業は一日でも早く取り掛かることをおすすめします。
アパートの退去が完了するまで、家賃は支払う必要があるからです。
遺品が多い場合は、退去作業に時間がかかることもあります。
業者に依頼すれば時間が短縮できますが、自分で行うと数か月もかかるケースもあります。
家賃やその他の費用の負担を最小限に抑えるために、退去作業は早めに取り掛かるようにしましょう。
葬祭扶助を申請する
葬祭扶助制度を利用できるか役所に確認してみましょう。
経済的に困窮している人に対して自治体が葬儀費用を支給する制度のこと(参考:生活保護法18条)
- 遺族が経済的に困窮しているため葬儀費用の捻出ができない
- 扶養義務者がいない為遺族以外が葬儀を執り行う
上記のどちらかに該当する場合、葬儀前に利用申請ができます。
金額は自治体によって異なりますが、20万円前後の葬儀費用が支給されます。
遺言書を確認する
遺言書を確認することは重要です。
思わぬ相続人がいる場合や、遺品に関する故人の希望が記載されている場合があるからです。
遺言書は法的な効力を持っているので、遺品整理に関する指示があるなら遺言書に従わなければなりません。
遺品を処分したり分配する前に、遺言書に相続人や処分方法が指定されていないか確認しながら行いましょう。
処分してしまってから思わぬトラブルになる可能性もあります。
粗大ごみ手数料の減免措置は生前のみ
粗大ゴミ手数料の減免措置は生活保護受給者の生前のみになります。
多くの自治体では、生活保護受給者は粗大ごみの手数料を減免されています。
ですが、この制度は生活保護の受給者が亡くなった後は適用されません。
孤独死の場合は遺品整理業者への依頼がおすすめ
生活保護受給者が孤独死してしまった場合、遺品整理は遺品整理業者に依頼することをおすすめします。
孤独死の現場は、遺体の腐敗が進んでいて悪臭や害虫が発生していることもあり、体調を崩す恐れがあるからです。
汚れが酷いと素人には清掃も難しいので、特殊清掃が必要になります。
遺品整理業者は孤独死の現場にも慣れているので、適切な対応をしてくれるはずです。
まとめ
生活保護受給者の遺品整理は、基本的には相続人がする必要があります。
ですが、場合によっては連帯保証人やアパートの所有者が遺品整理をしなければならないことも。
退去するまで家賃などの費用が発生するので、できる限り早く退去作業をすることが大切です。
生活保護ではアパートの退去費用は支給されないので、元気なうちに粗大ゴミ手数料の減免措置を利用して生前整理を進めておけるのが理想ですね。
遺品整理の作業がすすめられない場合は、遺品整理業者に依頼することがおすすめ。
遺品ドット東京は、専門知識のある遺品整理士の在籍している遺品整理業者です。
豊富な経験と知識で、適切に遺品の整理を行ってくれます。
遺品整理について気になったときは、気軽に相談してみてくださいね。