遺品をもらうときにはいくつか注意点があります。
遺族が遺品の価値を把握しておらず、高価なものだった場合、親族間で相続トラブルになることもあります。
財産的価値のあるものをもらうと、相続税や贈与税がかかる点も注意が必要です。
遺品をもらう場合のマナーとして、以下のことは確認しておきましょう。
- お返しは必要ない
- 形見分けしてもらっても管理できない場合は断ってもよい
- 遺品を大切に使う
亡くなった人の遺したものを形見分けされるときに、気を付ける事・注意点を確認しておきましょう。
遺品をもらうときの注意点
遺品をもらうときの注意点を紹介します。
- 遺族が価値を把握しているか
- 税金はかからないか
- 刀剣・銃は許可が必要
- 知らない人による形見の持ち去り
形見分けとして遺品をもらうときは、故人の思い出の品として受け取りましょう。
ですが、後々相続トラブルにならないようにいくつか注意すべきことを確認してください。
>>遺品整理での形見分けのマナーの記事も参考にして下さい。
遺族が価値を把握しているか
遺族が形見分けの品の価値を認識しているかは注意が必要です。
もらったものの価値が高いことがわかり、のちに遺族とトラブルになる恐れがあるからです。
なので、もらうものの価値を遺族と確認してから、遺品はもらうようにしましょう。
- 切手
- 骨董品
- 洋酒やワインなどのお酒
- 人形
- 着物
- ブランド品
- 絵画
- 貴金属
税金がかからないか
遺品をもらう際、税金がかからないか気を付けましょう。
財産的価値のあるものをもらうと、相続税や贈与税がかかる場合があるからです。
一般的に形見分けとしてもらうものは、財産的価値のないものが多いです。
そのため税金がかかる心配はありません。
形見分けに相続税は発生しないというのが慣習となっていますが、高額なものを形見分けした場合は遺産分割の対象となります。
また、贈与税は年間110万円を超える場合にかかる税金。
1年間で贈られたものの価値が110万円以下であれば税金はかかりません。
参考:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」
刀剣・銃は許可が必要
刀剣や銃などをもらう場合は許可が必要です。
これは、所有登録や許可がないと刀剣や銃は所持できないからです。
形見分けとして遺品の刀剣などをもらうときは、許可の手続きをしましょう。
手続きには講習や実弾試験などがあり、日数や費用がかかることは承知しておきましょう。
知らない人による形見の持ち去り
知らない人が遺品を持ち去るというトラブルがあります。
四十九日法要などに知らない人が現れ、「故人と親しくしていたので遺品を譲ってほしい」と頼んでくることがあります。
故人と本当に親しくしていた人の可能性もありますが、赤の他人が物をもらおうとしているケースもあります。
こういった場合は、すぐに遺品を渡してはいけません。
その人と故人との関係をエンディングノートで確認したり、故人の知人に尋ねてみましょう。
故人との関係がわからないときには、親族のみで形見分けをしているなどと伝えて断りましょう。
遺品をもらう・形見分けの時期
遺品をもらうタイミングは厳密には決まっていません。
ですが、一般的に四十九日法要で形見分けをすることが多いようです。
これは、四十九日法要で忌明けとなること、親族など故人とかかわりのあった人が集まりやすいことが理由と考えられます。
遺品をもらうときには、遺品整理や相続についての話し合いが終わっていることが大切です。
相続人同士での遺産分割が終わる前に遺品をもらうと、相続トラブルになる可能性もあります。
形見分けの前に、遺産の総額や分割についての話し合いが終わっていることは確認しましょう。
遺品整理において、捨ててはいけないものを処分しないことが重要です。
>>遺品整理で捨ててはいけないものの記事を参考にして下さい。
遺品をもらう・形見分けのマナー
遺品をもらうときの形見分けのマナーを確認しておきましょう。
- 形見分けがいらない場合は断ってもいい
- お返しは必要ない
- 遺品を大切に使う
基本的に形見分けとして遺品をもらうなら、故人を偲び感謝の気持ちで受け取り大切にしましょう。
形見分けがいらない場合は断ってもいい
形見分けがいらない場合は断っても構いません。
基本的には形見分けをされたら受け取ることが礼儀ですが、受け取って処分するよりは先に断っておくと良いでしょう。
本来、形見分けは必ず行わなければならないものではありません。
とはいえ、断り方には配慮が必要です。
お返しは必要ない
形見分けにお返しは必要ありません。
なぜなら、形見分けはプレゼントではないからです。
故人にとって大切な人と思いを分かち合うために形見はおくられます。
ですから、遺品をもらったら故人を偲び、形見分けをしてくれた遺族に感謝の気持ちを持ちましょう。
遺品を大切に使う
遺品をもらったら大切に使ったり保管しましょう。
汚れなどがある場合はクリーニングをして、きれいな状態で保管するようにします。
亡くなった人の服をもらう場合も大切に身につけることが供養になります。
定期的にメンテナンスを行い、良い状態を保てるように扱いましょう。
遺品をもらうことに関するQ&A
遺品をもらうことに関するQ&Aを紹介します。
亡くなった人の物を使うスピリチュアル・風水的な意味は?
亡くなった人の物を使うということは、スピリチュアルな観点から問題はありません。
大切な人が亡くなった場合、その人の物を使うことでお守りのような効果が得られることもあります。
風水の考え方では、遺品は故人のエネルギーが留まっているといわれています。
使うことで良い影響を得られるなら、大切に持つことで良い運気を呼び込むこともあるでしょう。
亡くなった人の物を使って、悲しい気持ちになったりマイナスの感情が呼び起こされるなら、手放した方がいいかもしれません。
亡くなった人の服を着ることについて、良い感情になるのなら亡くなった人の祝福やサポートを受けられると風水では考えられています。
逆に、悪い感情を呼び起こす場合は、故人の服を着るのは良くないとされています。
風水は考え方や信念によって解釈が異なります。
全ての人に当てはまるものではないので、自分にとって一番良いと思える方法で故人の服を取り扱いましょう。
遺品を捨てると運気が上がる?
遺品を捨てると運気が上がるとは言い切れません。
なぜなら、遺品を使うことで故人との楽しかった思い出が呼び起こされたり、温かい気持ちになることもあるからです。
プラスの感情でいられるなら、お守りの様に大切にもっていることは良い影響を与えてくれます。
ですが、遺品を見ると悲しい気持ちになったりマイナスの感情が起きる場合は処分した方がいいかもしれません。
この場合は遺品を捨てることで運気が上がる場合もあるでしょう。
亡くなった人の衣類を処分する時期は?
亡くなった人の衣類を処分する時期は、明確には決まっていません。
ですが、四十九日法要や一周忌など、親族が集まるタイミングで行うことが多いです。
亡くなった人の衣類の処分については>>遺品整理の衣類処分を参考にして下さい。
遺言書やエンディングノートで、故人が譲りたいと思っている服がないか確認しましょう。
親族で故人の衣類を譲り受けたいと考えている場合もあります。
生前、衣類に関して故人と約束をしていないか、親族が集まったときに相談できると良いですね。
衣類に限らず、遺品の取り扱いに関してはトラブルを防ぐために親族の意思を確認することをおすすめします。
参考:裁判所|遺言書の検認
亡くなった人の物が捨てられない
亡くなった人の物が捨てられない場合は無理をしないようにしましょう。
悲しい気持ちのまま捨ててしまうと、心に傷が残るかもしれません。
時間が解決してくれることもあります。処分を急ぐ必要がないなら、心の整理がつくまで時間をおいても良いでしょう。
時間や体力的な問題で捨てられない場合は、遺品整理業者に依頼することも検討しましょう。
自分で処分するのがためらうものも、供養を行ったり適切な方法で処分してくれるので安心して任せることができます。
>>遺品整理が大変で辛い時の対策の記事で詳しく紹介しています。
亡くなった人の物は処分した方がいい?
亡くなった人の物は処分した方がいいでしょう。
なぜなら、保管しておく場所や手間がかかること、気持ちの整理がいつまでもつかないからです。
大量に残った遺品をそのまま放置しておくと、衛生状態が悪くなったり害虫・害獣のリスクも高まります。
近隣住民に迷惑をかける場合もあるので、なるべく早く処分することをおすすめします。
>>亡くなった人の物は処分した方がいいの記事も参考にして下さい。
まとめ
遺品をもらう際は、遺族が形見分けの品の価値を把握しているか、税金はかからないか確認することが必要です。
形見分けが後々のトラブルにならないように配慮して、供養のために遺品をうけとりたいですね。
故人を偲び、感謝の気持ちを忘れないように遺品をもらったときは大切に取り扱いましょう。
遺品の取り扱い、形見分けについてお悩みの方は遺品ドット東京に気軽にご相談ください。