遺品整理で出るゴミの回収や処分方法には、
- 家庭ごみとして少量ずつ処理する
- 自治体のごみ処理場に持ち込む
- 専門の遺品整理業者に依頼する
など、いくつかの選択肢があります。
中でも最も手間がかからず安心して任せられる方法は、「一般廃棄物収集運搬許可」を持つ遺品整理業者に依頼することです。
許可のある業者に依頼することで、適切な分別と安全な処理が行われ、遺族の負担も軽減されます。
この記事では、遺品整理での具体的なゴミ処分方法と、業者に依頼する際の注意点について詳しく解説します。
遺品整理のゴミは遺品整理業者に回収してもらうのがおすすめ
遺品整理で発生するゴミや不要品の回収は、専門の遺品整理業者に依頼することが最適な方法です。
専門の遺品整理業者は「一般廃棄物収集運搬許可」を取得していることが多いからです。
自治体のルールに従いながら、家庭ごみとして処理可能な不用品を一般廃棄物として廃棄を進めることができます。
また、遺品整理業者には供養やリサイクル、買取なども行うサービスがあり、遺品の価値を尊重しながら無駄なく整理が進められます。
専門業者に依頼することで、遺族が自身で行う作業を大幅に軽減でき、心身の負担を減らしながら、スムーズな遺品整理が可能になります。
遺品整理のゴミの処分方法
遺品整理で発生するゴミを効率的に処分するためには、以下の方法を状況に応じて選ぶことで、スムーズに進められるでしょう。
- 家庭ごみとして捨てる
- 自治体のごみ処理場に持ち込む
- 業者に回収してもらう
家庭ごみとして捨てる
遺品整理のゴミは、一般廃棄物として分別できるため、家庭ごみとして処分することが可能です。
特に、燃えるゴミや小さな不燃ゴミなどは自治体の収集日を利用して処分するのがおすすめです。
ゴミの量が多い場合には、一度に出せる量が限られるため何度かに分けましょう。
家庭ごみとして捨てることで、処分費用を最小限に抑えられるというメリットがあります。
ですが、粗大ゴミや家電リサイクル法対象の品物はこの方法では処分できない点に注意が必要です。
処理できる品目を自治体ごとのルールを確認しながら、少しずつ整理し処分を進めていきましょう。
自治体のごみ処理場に持ち込む
遺品整理で発生した大量のゴミは、自治体のごみ処理場に直接持ち込む方法も効率的です。
家庭ごみの量を調整でき、特に退去日などの期限がある場合に一気に処理できるからです。
自治体によっては、持ち込みできる日や時間、ゴミの種類に制限があるため、事前に受付時間や受け入れ条件を確認しておきましょう。
ごみの持ち込みには軽トラックなどの運搬手段も必要です。
車両の手配や運搬の手間を考慮しながら効率よく処分を進めると良いでしょう。
業者に回収してもらう
遺品整理で発生する大量のゴミや粗大ゴミは、専門の回収業者に依頼することで効率的に処分できます。
業者に依頼すると分別や運搬などの手間が省け、一度に多くのゴミを処理できるからです。
また、遺品整理業者であれば遺族の気持ちに配慮しながら作業を進め、貴重品や供養が必要なものも適切に取り扱います。
リサイクルや買取も対応している業者に依頼すれば、再利用可能なものを買い取ってもらえるため、費用面でも負担が軽減される可能性があります。
遺品整理のゴミ回収を業者に依頼する際の注意点
遺品整理のゴミ回収を業者に依頼する際の注意点として以下を参考にしてください。
- 一般廃棄物収集運搬許可のある業者に依頼する
- 優良業者か見極める
- 事前に貴重品などを仕分けしておく
- レンタル・サブスクを仕分けしておく
- 売却できるものは買取してもらう
- 作業当日はできるだけ同席する
一般廃棄物収集運搬許可のある業者に依頼する
遺品整理での不用品処理には「一般廃棄物収集運搬許可」を持つ業者に依頼することが必須です。
なぜなら、許可のない業者に依頼してしまうと、ゴミが正規の処理場に持ち込まれず、不法投棄や違法処分が行われるリスクがあるからです。
廃棄物処理法により、一般廃棄物の収集・運搬には専用の許可が必須で、無許可の業者による処理は違法とされます。
参考:環境省
一般廃棄物と産業廃棄物の違いは以下の表を参考にして下さい。
種類 | 内容 |
---|---|
一般廃棄物 | 日常生活で発生するゴミや不用品。 遺品整理で出るゴミは基本的に一般廃棄物に分類される。 一般廃棄物収集運搬業の許可が必要。 |
産業廃棄物 | 事業活動で発生する特定のゴミ(建設廃材、化学物質など)が対象。 一般家庭の遺品整理で発生するゴミは該当しない。 産業廃棄物収集運搬業者のみが処理可能で、一般廃棄物は扱えない。 |
依頼前には、業者のウェブサイトや問い合わせを通じて許可の有無を必ず確認し、安全な業者を選ぶようにしましょう。
優良業者か見極める
遺品整理を業者に依頼する際は、信頼できる優良業者かどうかを見極めることが大切です。
遺品整理での不用品回収と通常の不用品回収には違いがあるからです。
遺品整理では故人の想いに配慮しながらの対応が求められます。
優良業者であれば遺品を丁寧に扱い、遺族の気持ちに配慮しながら作業を進めてくれます。
悪徳業者に依頼すると高額な追加料金を請求されたり、不適切な方法で廃棄されるリスクがあるかもしれません。
優良業者を見分けるには、まず「遺品整理士」が在籍しているかどうかや、口コミや評判を確認するとよいでしょう。
信頼できる業者は、公式サイトで過去事例の見積もり提示や、実際の作業内容についての詳細な情報を公開していることが多いです。
詳細は、>>遺品整理業者のトラブルをご覧ください。
事前に貴重品などを仕分けしておく
遺品整理のゴミ回収を業者に依頼する前には、貴重品や形見の品をしっかりと仕分けておくことが重要です。
なぜなら、遺品には思い出の品や重要な書類、現金や宝飾品が含まれている可能性があるからです。
生前整理で不用品が事前に回収されているケースは少ないです。
これらをあらかじめ整理しておかないと、大切なものまで誤って廃棄されてしまうリスクがあります。
特に現金や通帳・印鑑などは貴重品として見つけにくい場所にしまわれていることが多いです。
引き出しやタンス、クローゼットなども念入りに確認しておきましょう。
レンタル・サブスクを仕分けしておく
遺品整理を進める際には、故人が利用していたレンタル品やサブスクリプションの品を事前に仕分け、返却や解約の手続きを行うことが大切です。
なぜなら、レンタル品やサブスクリプションはそのまま放置しておくと延滞料金が発生し、遺族に負担がかかる可能性があるからです。
たとえば、レンタルDVDやサブスクで契約しているデジタルサービス、雑誌などが該当します。
事前に仕分けを行うことで、故人が借りていた品や定期的に利用していたサービスを確実に整理でき、不要な費用負担を避けられます。
売却できるものは買取してもらう
遺品整理で発生した不要品はリサイクル業者に売却しましょう。
遺品整理の費用負担を軽減できるだけでなく、故人の遺品が再利用されるため有効活用にもつながるからです。
特に、家電や家具・貴金属類・骨董品・ブランド品などは買取対象になることが多いです。
状態が良いものや、価値が高いものは高額買取が期待できます。
業者による回収前に一度、売却できるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
作業当日はできるだけ同席する
遺品整理を業者に依頼する場合、作業当日は可能な限り同席しておくと安心です。
必要な品の確認や思い出の品の仕分けについてその場で指示を出せるため、作業をスムーズに進めることができるからです。
また、貴重品や処分方法に迷う品が見つかった際も、即座に対応することができ、納得のいく形で遺品整理が行えます。
同席が難しい場合は、業者と事前に丁寧に打ち合わせをして希望をしっかり伝えておくと良いでしょう。
遺品整理のゴミ回収についてQ&A
遺品整理の際には、処分方法やタイミングについて疑問が生じることが多いため、よくある質問をQ&A形式で解説します。
- 遺品整理で捨ててはいけないものは?
- なくなった人の物は処分した方がいい?
- 49日前に遺品整理してもいい?
正しい知識を持っておくことで、安心して遺品整理を進められるようになります。
遺品整理で捨ててはいけないものは?
遺品整理の際には、貴重品や法的に重要な書類など、捨ててはいけないものがあるため注意が必要です。
具体的には、現金や通帳、印鑑、生命保険証書、契約書などの重要書類や、故人の思い出の品である写真や手紙が該当します。
これらを誤って処分してしまうと、後に資産や権利関係の手続きで必要となる場合があるため、注意が必要です。
捨ててはいけないものについての詳細は、>>遺品整理で残すものリストをご覧ください。
なくなった人の物は処分した方がいい?
故人の遺品を処分するかどうかは遺族にとって悩ましい問題ですが、基本的には処分を進めることをおすすめします。
なぜなら、遺品をそのままにしておくと、思い出にとらわれるあまり前に進みにくくなったり、住空間が圧迫されることで生活に不便が生じることがあるからです。
たとえば、大きな家具や多くの物品を残したままにしておくと、住居が狭くなり新しい生活に必要な空間が不足する可能性があります。
とはいえ、処分が難しい思い出の品や、感情的に残しておきたい物もあるかもしれません。
その場合は、すべてを処分するのではなく思い出の品を一部保管して他を整理するなど、バランスを考えて進めることが重要です。
>>亡くなった人の物は処分した方がいいも参考にしてください
49日前に遺品整理してもいい?
遺品整理を49日前に行うことは、法律上問題ありません。
49日まで遺品整理を控えるべきとされるのは、故人の魂が成仏する日とされる49日法要が終わるまで遺品に手をつけない、という仏教的な考えに由来します。
しかし、遺族の事情や物件の退去期限などがある場合には、49日を待たずに整理を始めることが現実的な場合もあります。
たとえば、
- 遺族が遠方に住んでいるため早めに整理を進めたい場合
- 賃貸物件で早期の退去が必要な場合
などには、49日を待たずに整理することも検討すべきです。
大切なのは、遺族が納得したタイミングで無理なく整理を進めることです。
信仰や習慣に無理に縛られず、各家庭の事情や気持ちを優先することが大切です。
>>遺品整理は49日前がおすすめも参考にご覧ください。
遺品整理で捨てられないときの対処法は?
遺品整理の際、思い入れのある品や故人を偲ぶ品を無理に捨てる必要はありません。
無理に捨てようとすると、後悔や罪悪感を抱く原因になることがあるからです。
どうしても手放せない品については、保管場所を決めて一時的に保管することをおすすめします。
特に写真や手紙など、故人を偲ぶ品であれば、アルバムや専用の箱にまとめて保存することで、手元に残しながら整理が可能です。
また、お焚き上げや供養のサービスを利用して、供養を行ったうえで品を整理することも選択肢の一つですね。
詳しくは、>>遺品整理ができない・悲しいときの対処法も参考にご覧ください。
まとめ
遺品整理には、
- 家庭ごみとして少量ずつ処分する方法
- 自治体のごみ処理場に持ち込む方法
- 「一般廃棄物収集運搬許可」を持つ信頼できる遺品整理業者に依頼する方法
があります。
一番手間がなくスムーズに進められるのは、「一般廃棄物収集運搬許可」を所持する遺品整理業者に依頼する方法です。
整理の際は貴重品や思い出の品を丁寧に仕分けし、捨てにくい物は一時保管や供養を検討すると心の整理にもつながります。
故人との思い出を大切にしながら、遺族が前向きに過ごせるよう無理のない方法を選びましょう。