遺品整理ができない・進まないときの対処法を紹介します。
「故人の死が悲しい・つらい」「遺品が多くて終わらない」など、遺品整理に悩みはつきものです。
何度も経験することではないので、「遺品整理ができない」としんどい思いをする人は少なくありません。
以下の内容を解説していきます。
- 遺品整理ができない・進まない理由
- 遺品整理ができないときの対処法
一人で遺品整理をしようとしないで、法事などで人が集まる時に行ったり遺品整理業者に依頼することも検討しましょう。
遺品整理に失敗しないための注意点も紹介しますので参考にしてくださいね。
遺品整理ができない・進まない理由
遺品整理は遺族が故人の遺品を整理することですが、できないと悩む方も少なくありません。
その理由はいくつか挙げられます。
- 故人の死が悲しい・つらい
- 遺品が多くて終わらない
- 亡くなった人の物が捨てられない
- 何から手を付けたらよいかわからない
- 遠方に住んでいる
遺品整理は人生で何度も経験することではないので、初めてのことでわからないというのは当然です。
それぞれの理由について確認していきましょう。
故人の死が悲しい・つらい
大切な人を失って悲しい・つらいという気持ちがこみあげてきて、遺品整理ができないという方は少なくありません。
亡くなったという事実を受け止めきれない方も多いからです。
これは親を失った子よりも、子を失った親の方が多いケースです。
亡くなった人の衣類や思い出の品などを見ることによって、悲しい気持ちになってしまいます。
つらい気持ちのまま作業を進めることがストレスで、しんどいと感じる場合もあります。
遺品整理は心の整理につながる
状況が許すなら急いで遺品整理をする必要はありませんが、遺品を整理することで心の整理がつきやすくなる場合もあります。
遺品を処分しても思い出はなくなりません。
むしろ、遺品を整理することで思い出は強くよみがえり、深く心に刻み付けられるでしょう。
今後の人生を前向きに生きていくために遺品整理は必要な作業です。
遺品が多くて終わらない
遺品の量が多くて、遺品整理の作業が終わらないケースもあります。
一軒家で部屋数が多かったり、長年暮らしていてものが多いと遺品整理は大変な作業になるからです。
生前整理をしていれば、ある程度遺品整理の負担は軽減されます。
整理ができていない場合は、分別や仕分けをするだけで時間がかかる作業になります。
遺品が多すぎて、作業が進まないというケースは多いです。
一人でやると時間がかかる
一人でやろうと思うと遺品整理は時間もかかり体力的・精神的に大変な作業です。
ワンルームのアパートで独り暮らしをしていたというケースで、遺品の量は2トントラック1台分です。
一軒家の遺品整理の場合は、遺品の量は2トントラック3台分以上になることがほとんどでしょう。
単にゴミを捨てればいいわけでないので、悩みながらの分別や処分に時間がかかります。
親族で話し合い役割分担を決めて遺品整理は行うことをおすすめします。
なぜか女性一人が遺品整理を押し付けられるというケースは多いです。
大きい家電や家具の処分だけでなく、貴重品の確保など複数人で確認しながら行うとトラブルも防ぐことができます。
亡くなった人の物が捨てられない
亡くなった人の物が捨てられず、遺品整理ができないという方もいます。
遺品に思い出が詰まっていて、捨てることができないと考えてしまうからです。
遺品は亡くなった人と過ごした証であり、捨てることに抵抗を感じてしまいます。
気持ちの整理がついていないと、遺品整理ができない方も多いです。
亡くなった親や夫の遺品が捨てられないと悩む方も少なくありません。
遺品を整理することは供養につながると考える
遺品を整理することは供養につながると考えましょう。
亡くなった人の物が捨てられないのは、罪悪感を持ってしまうという場合もあります。
例えば、親を孤独死させてしまった場合、親をないがしろにしてしまったといううしろめたさから、遺品を捨てられないということもあります。
ですが、遺品をそのままにしても罪悪感が消えることはありません。
遺品整理をすることで、亡くなった人との思い出に向き合うことは供養につながります。
何から手を付けたらよいかわからない
何から手を付けたらよいかわからない場合も、遺品整理ができない理由にあります。
ゴミ屋敷など物が雑然と大量にある場合は、どこからやればよいかわからなくなるからです。
ゴミ屋敷でなくても、衣類や日用品の処理・不動産や貴金属をどうすべきか悩むものです。
親族間でも遺品の処分で意見が分かれることもあり、親族トラブルの原因にもなりかねません。
貴重品を見つけることから始める
何から手をつけたらいいかわからない場合は、貴重品を見つけることから始めましょう。
遺品の分別については>>遺品整理で捨ててはいけないものを参考にして下さい。
以下の流れで遺品整理を行っていくとスムーズです。
- 重要な書類や貴重品・残しておきたい思い出の品などを分ける
- リサイクル・買取してもらう
- 必要のないものを処分する
遺品の分類は時間や手間のかかる作業です。>>遺品整理のコツもチェックしてみてください。
遠方に住んでいる
遺品整理が必要な家から遠くに住んでいる場合も、遺品整理ができない理由として挙げられます。
進学や就職で親元を離れ、夫婦か一人で暮らしている高齢者が多いからです。
特に家賃を払う必要のない状態なら、遺品整理を先送りにしがちです。
普段は離れて暮らしている子供が、遠方の実家の遺品整理をするのは物理的にも大変なことです。
何回も足を運ぶと交通費も負担になるだけでなく、仕事や生活にも影響を与える可能性もあります。
空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性
空き家を放置しておくと固定資産税が6倍になる可能性があることには注意しましょう。
2015年に「空き家糖対策特別措置法」が施行され、特定空き家に指定されると50万円以下の過料が科される場合があります。
固定資産税の軽減措置の対象から除外されると、税額が6倍になることも。
誰も住んでいない家は傷むのが早いです。
遠方に住んでいてなかなか遺品整理を行えないとしても、期限を決めて行うことをおすすめします。
空き家の片付けについては>>空き家の整理・片付けも確認しておきましょう。
参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
遺品整理が進まないときの対処法
遺品整理が進まないときの対処法を紹介します。
- 時間を置く
- 法事で人が集まる時に行う
- 遺品整理に対する意識を変える
- 遺品整理業者に依頼する
遺品整理ができない理由は様々ですので、それぞれの場合での参考にしてください。
時間を置く
時間を置くことで、亡くなった人の物を捨てられない気持ちが落ち着く場合もあります。
悲しい気持ちや喪失感は、時間が解決してくれることもあるからです。
故人の死と向き合い、悲しみに浸ることでストレスや辛さを軽減できることもあります。
悲しみから早く立ち直れるよう、心に寄り添う支援を行う「グリーフケア」を受ける必要があるケースもあります。
あらたな一歩を踏み出すために、悲しみに浸る時間を取ることで遺品整理を進めることができるでしょう。
「日本グリーフケア協会」は、「喪失と立ち直りという二つの間で揺れ動いて不安定な状態となった人に対し、さりげなく寄り添ったり援助したりすること」と定義しています。
法事で人が集まる時に行う
法事などで親族が集まる時に一緒に行うのもおすすめです。
一人で遺品整理を進める精神的・体力的負担が軽減されるからです。
親族が集まりやすい49日・一周忌・三回忌などにしてもよいでしょう。
親族と思い出話をしながら話すことで、悲しい気持ちが紛れることもあります。
遺品整理をする時期については>>遺品整理は49日前がおすすめの記事も参考にして下さい。
遺品整理に対する意識を変える
遺品整理に対する考え方を変えることで、遺品整理を進めることができるかもしれません。
思い出のある遺品を捨てることに、罪悪感をもってしまい進まない場合が多いからです。
遺品整理は、故人に対する遺族の心の整理をする作業として意味があることです。
決して故人の持ち物をゴミとして捨てるのではなく、故人との関係を整理し思い出と向き合う大切な作業と考えてみましょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者に依頼することで、遺品整理を進めることができます。
プロの業者は遺品整理の作業を熟知しているので、スムーズに片づけをすすめられるからです。
遺品整理業者に依頼すると、以下のことが期待できるでしょう。
- 短期間で作業を済ませることができる
- 遺品の分別・不用品の回収すべて依頼できる
- プロの視点から整理してもらえる
- 遠方からでも依頼できる
遺族の心の負担を軽減して、適切なアドバイスやサポートも受けることができます。
遠方で同席できないという方も、遺品整理業者なら安心して遺品整理を任せることができますよ。
遺品整理に失敗しないための注意点
遺品整理に失敗しないための注意点を紹介します。
- 遺品整理で捨ててはいけないものを確保する
- 一人で作業しない
- 思い出の品は基準を決める
身近な人が亡くなった後の遺品整理は、精神的・体力的にも大変な作業です。
後で失敗した、とならないように確認しておきましょう。
遺品整理で捨ててはいけないものを確保する
遺品整理で捨ててはいけないものは、必ず確保しましょう。
相続や契約に関する重要な書類や貴重品などを捨ててしまうと、手続きが困難になる場合があるからです。
遺品整理で捨ててはいけないものはこちらを参考にしてください。
- 遺言書
- 財産分与で必要なもの
- 身分証明書
- 年金手帳
- 印鑑
- 仕事関係の書類
- 鍵
- 請求書・支払通知書
- デジタル遺品
他にも貴重品や個人がレンタルしたものなども要注意です。
貴重品は相続の対象になる可能性がありますし、レンタルしたものを返却しないと損害賠償を請求されるかもしれません。
処分しても大丈夫なものか、良く確認しながら作業することが重要です。
遺品整理で捨ててはいけないものについては>>遺品整理で残すものリストの記事を参考にしてください。
一人で作業しない
遺品整理を失敗しないために、一人で作業しないようにしましょう。
気持ちの整理がついていないのに一人で作業しても遺品整理は進みませんし、体力的にも大変な作業だからです。
家族や親族と協力して、遺品整理をすることをおすすめします。
遺品の処分方法についても判断に困った時、相談しながらすることでのちのちトラブルになることが回避できるかもしれません。
「疲れる・しんどい」など精神的・身体的負担から、健康を害することもあります。
思い出の品は基準を決める
思い出の品は残しておくものに基準を決めるようにしましょう。
残しておきたいものが多すぎると保管に場所や手間がかかるからです。
取っておいても段ボールに入れっぱなしということも多いのではないでしょうか。
「段ボール一つに入るだけ・期限を決めてその間開けなかったら処分」など基準を決めておきましょう。
故人のお気に入りだったものを数点程度に収めておくと良いでしょう。
「親の思い出のものが捨てられない」ということが無いように生前たくさん親孝行をしておくと、モノに執着する必要がなくなるかもしれませんね。
遺品整理ができない・進まないについてQ&A
遺品整理ができない・進まないことについてQ&Aで紹介します。
相続放棄してから遺品整理するとバレる?
相続放棄してから遺品整理をするとバレる可能性が高いです。
これは、家庭裁判所の調査で簡単にわかってしまうからです。
家庭裁判所の調査になるまでもなく、預金口座からお金を引き出したり、遺品を勝手に売却すれば管理している人は気づきます。
基本的に相続放棄をしたのに遺品の処分をすれば、他の管理義務のある相続人にバレると心得ておきましょう。
参考:「相続財産の全部または一部を処分したとき」(民法921条1号)
相続放棄をするなら遺品整理をしてはいけません。>>遺品整理は相続放棄したらできないの記事を確認しておきましょう。
亡くなった人の衣類を処分する時期はいつ?
四十九日・百日法要・一周忌などがおすすめです。
理由としては、親族が集まりやすいタイミングで処分すれば、遺品整理や形見分けの話し合いもスムーズに行えるからです。
状態の良いものは使ってもらえることもありますし、売却する場合も意見を聞いておくことがトラブル回避になります。
亡くなった母の服を着ることで、故人との思いを大切にできる場合もあります。
死別してから思い出の品として処分ができない場合は、気持ちが落ち着いてから処分してもOKです。
衣類の遺品整理については>>遺品整理の衣類処分で詳しく紹介しています。
亡くなった人の物を使うことのスピリチュアルな意味は?
スピリチュアルな観点から、亡くなった人の物を使うことは問題ありません。
故人の想いのこもったものを使うことで、心が安らいだり故人の供養になるとも考えられるからです。
使っているものには持ち主の魂が宿るとも考えられています。
故人の遺品を使うことでお守りとなるかもしれません。
ポジティブな気持ちになれるなら、遺品を使うことは良い影響を与えます。
ですが、ネガティブな気持ちになる遺品は供養したり処分した方が良いでしょう。
遺品を捨てることと運気については>>遺品を捨てると運気が上がる?を参考にしてください。
まとめ
遺品整理ができない・進まない理由は様々です。
故人の死を受け止めきれなくて悲しい・つらいと感じて作業ができないのなら、しばらく時間をおいてから片付けをしても良いでしょう。
遺品の量が多かったり何から手を付けたらよいかわからない場合も多いです。
法事などで親族が集まる時に、相談しながら協力して遺品整理をすることをおすすめします。
どうしても遺品整理をするのが難しい場合は、プロの遺品整理業者に依頼しましょう。
遺品ドット東京には、経験豊富な専門知識のある遺品整理士の在籍しています。
遺族の気持ちに寄り添いながら、適切なアドバイス・サポートを提供してくれますよ。
遺品整理に悩みがあるなら、気軽に相談してみてくださいね。