遺品整理をして、実家の相続財産を確認することは重要です。
需要書類を確保したり相続税の申告のために、遺品整理は早めに行いましょう。
相続財産の把握・重要書類を捜索することで、相続税の算出ができ、相続に関する手続きをスムーズに行うことができます。
相続に関するトラブルを回避するためにも遺品整理は重要です。
- 遺品整理が必要な理由
- 相続した実家の遺品整理をしないリスク
- 実家の片付け・遺品整理の進め方
上記の内容を紹介しています。相続放棄や遺品整理をする手順についても参考にしてください。
相続する実家の遺品整理が必要な理由
相続する実家の遺品整理が必要な理由は、以下のことがあげられます。
- 相続財産の把握
- 重要書類の捜索
遺品整理をしないと相続財産の内容がはっきりわからず、正しい相続税額が算出できません。
適切な遺産分割もできないので、後々トラブルになる可能性もあります。
故人が生前に行った契約に関する詳細がわからないので、解約できずに余計な費用がかかるかもしれません。
それぞれ詳しく見てみましょう。
相続財産の把握
相続財産を把握するために、遺品整理は必要です。
相続税の算出や遺産分割をするためには、すべての相続財産を把握する必要があるからです。
相続財産としてはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産もあります。
それぞれの例は以下になります。
プラスの財産 | マイナスの財産 |
---|---|
預貯金、現金 有価証券 不動産 ゴルフ会員権、リゾート会員権 貴金属、骨董品 車 著作権、商標権 保険金 | 住宅ローンなどの借入金 クレジットカードの未決済分 未払の医療費や税金 葬式費用 |
相続放棄する申告期限は相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内、相続税の申告は10か月以内です。
相続財産のすべての整理は時間がかかるので、なるべく早めに遺品整理をするようにしましょう。
重要書類の捜索
重要書類を見つけるためにも、遺品整理は必要です。
相続手続きに必要な書類や、個人情報がかかれている書類を探し出すことが重要だからです。
相続のための重要な書類が見つからないと、手続きがスムーズに進みません。
- 相続手続きが進まない
- 携帯電話が解約できない
- サブスクの解約ができない
相続した不動産の売却には権利証・不動産売買契約書など、購入時の費用を確認することが必要です。
こういった重要書類が見つからないと、所得税を多めに支払わなければならなくなるかもしれません。
故人が契約した携帯やサブスクの解約ができずに、不必要な出費がかさむ可能性もあります。
遺品整理の段階で、重要書類を見つけておくことが重要です。
>>遺品整理で捨ててはいけないものの記事で、重要書類について確認してくださいね。
実家の片付け・遺品整理は相続人が行う
実家の片付けや遺品整理は、相続人が行う必要があります。
相続人は故人の遺品すべてを相続するからです。
法律で定められた法定相続人は、故人の配偶者や血族になります。
相続権の順番は以下になります。
- 配偶者
- 子供もしくは世襲相続人(孫)
- 両親
- 兄弟姉妹もしくは世襲相続人(甥・姪)
相続しない場合は相続放棄の手続きをし、相続権は次の順位の人へ移ります。
相続人に当たる子供などが既に亡くなっている場合、その子供が相続人となります。
法定相続人の他に、遺言書による相続人が遺品整理をするケースもあります。
相続人以外が遺品整理を行う際の注意点
相続人以外の人は、遺品整理を勝手に行ってはいけません。
遺品整理を相続人以外が行う場合は、相続人の同意が必要だからです。
相続人が相続人以外に遺品整理を依頼する場合、すべての相続人がこれに同意していることを確認する必要があります。
遺言書に遺品整理に関して指示がある場合はそれに従います。
このように遺言書で指示がある場合でも、相続人の間でのトラブルを避けるために、事前に十分に話し合っておくことが大切です。
相続人以外には遺品整理業者も含まれます。
遺品整理業者は、遺品の整理に関して専門的・法的な知識があるのでスムーズに遺品整理を行うことができます。
トラブルを回避するため、契約書を交わし優良な業者を選択しましょう。
相続した実家の遺品整理をしないリスク
相続した実家の遺品整理をしないと、様々なリスクが発生します。
- 固定資産税を払い続けなければならない
- 特定空き家にしていされて増税となる
- 家の価値が下がる
- 近隣トラブル
遠方に住んでいるなどで放置しておくと、余計な税金がかかったり損をするかもしれません。
相続した実家は早めに遺品整理をすることをおすすめします。
固定資産税を払い続けなければならない
固定資産税を払い続けなければならないことが、遺品整理をしない場合のリスクといえるでしょう。
住んでいない家でも、すべての不動産には固定資産税が課税されるからです。
固定資産税はその家の所有者に支払い義務があるので、所有者が亡くなった場合は相続人が支払う義務があります。
固定資産税は、1月1日時点の土地の登記上の所有者に対して課せられます。
所有者が1月1日に亡くなっている場合は、相続人が納税義務者です。
(参考:総務省ホームページ 固定資産税)
特定空き家に指定されて増税となる
放置しておくと特定空き家に指定されるリスクがあります。
特定空き家は周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があるとされるからです。
認定されると固定資産税が6倍になるかもしれません。
- 公衆衛生上有害である
- 景観を著しく損ねている
- 近隣の生活環境を損ねている
特定空き家に認定された場合、翌年から固定資産税の課税額が最大6倍です。
家の価値が下がる
相続した家を遺品整理しない場合、家の価値が下がり希望の価格で売却できなくなります。
家の価値が下がる原因としては、以下のことがあげられます。
- 空き家が急増し住宅供給過多
- デフレの進行
- 株価のピークアウト
人の手が入らず放置された家は傷み、価値はどんどん下がっていきます。
希望の価格で売却したいなら、早めに遺品整理をすることをおすすめします。
近隣トラブル
遺品整理をせずに家を放置しておくと、近隣トラブルに発展するリスクがあります。
建物が老朽化することがその理由です。
放置された家は老朽化が進み、倒壊した場合は近隣の住宅に被害を及ぼします。
ゴミが捨てられて悪臭や害虫が発生すると、近隣からクレームが来る場合も。
こういった責任は、家を相続した所有者が負わなければなりません。
相続税の申告のために遺品整理は必要
相続税の申告のために、遺品整理は必要です。
遺品整理は、相続財産を把握したり重要な書類を見つけるために必要な作業だからです。
遺された遺品を片付けて整理するだけでなく、相続に関する手続きのためにも遺品整理をしなければなりません。
故人の遺品は、遺品を相続した相続人が行う必要があります。
遺品整理はいつまでにという決まりはありませんが、相続税の申告期限は故人の死から10か月以内です。
10か月以内に相続財産の確認を行って申告をしましょう。
ですが、概算(多めに財産額を見積もった内容)で申告・納税しておいて、「更生の請求」をすることも可能です。
財産内容が確定した時点で、正確な内容を申告し、多めに払っていた分を還付すること
(参考:国税庁ホームページ相続税及び贈与税の更正の請求手続 )
更生の請求の期限は、相続税の申告期限から5年以内です。
大切な人が亡くなって、なかなか遺品整理が手につかないという方も、無理のないタイミングで遺品整理を行いましょう。
(参考:国税庁ホームページ)
遺品整理を誰が行うか、義務や注意点を>>遺品整理は誰がやる?の記事で詳しく紹介しています。
相続放棄するなら遺品整理をしてはいけない
相続放棄を考えているなら、遺品整理をしてはいけません。
遺品整理をすると相続を承認したことになるからです。
故人の遺品には、借金や負債など負の遺産も含まれています。
マイナスの財産が多い場合には、相続放棄を考える場合もあります。
相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内にしなければなりません。
相続放棄する場合は、預貯金の引き出しや携帯電話の解約など、相続財産の処分行為とみなされることをしてはいけません。
(参考:裁判所 相続放棄ガイド)
相続放棄をする場合の注意点については>>遺品整理は相続放棄したらできないで詳しく紹介しています。
実家の片付け・遺品整理の進め方
実家の片付け・遺品整理の進め方を紹介します。
- スケジュールを決める
- 必要なものを準備する
- 遺言書・エンディングノートを確認する
- 必要なもの・不要なものを分類する
- 不用品を処分する
- 清掃
無理のないように計画を立てて進めていきましょう。
スケジュールを決める
スケジュールを立てて、効率的に遺品整理をすすめましょう。
ゴミの収集日や手続きが必要な日に合わせて作業をしていきます。
無理のないペースでスケジュールを立てましょう。
大まかにいつまでに完了させるかを決めると、具体的な作業の進め方を把握できます。
勝手に遺品整理をすると、親族トラブルになる可能性もあります。
特に貴重品などの扱いには注意しましょう。
必要なものを準備する
遺品整理に必要なものを準備しましょう。
準備するものは以下を参考にしてください。
- ゴミ袋
- 段ボール
- ガムテープ
- カッター・はさみ
- ロープ
- マジックペン
- ペンチ、ドライバーなどの工具(家具などを処分する際に必要)
- 台車
- 軽トラやワゴン車などの運搬用の車
けがをしないように軍手やスリッパなども準備しましょう。
遺言書・エンディングノートを確認する
作業を開始する前に遺言書・エンディングノートを確認しましょう。
遺言書やエンディングノートの内容に沿って遺品整理する必要があるからです。
遺品を譲りたい人や処分の仕方に記載がある場合は、それに取って作業を行います。
必要なもの・不要なものを分類する
遺品を必要なもの・不要なものに分類します。
要不要の判断に悩むものは、一時的な保留ボックスに入れておくとよいでしょう。
思い入れのある品や資産価値のあるものは、形見分けで遺族に分配してもいいですね。
形見分けのマナーやタイミングなど、気を付けたい点を>>遺品整理での形見分けのマナーの記事でチェックしてみてくださいね。
不用品を処分する
必要なもの・不要なものと分けたら、不用品を処分します。
自治体のルールに従って適切に処分しましょう。
家電の中には、リサイクルが義務付けられているものもあります。
処分するものを減らす為には、リサイクルをしたり譲ったりすることも検討しましょう。
まだ使える遺品はリサイクルしたいという遺族は多いです。注意点やメリット・デメリットなど>>遺品整理はリサイクル・買取がおすすめ!を参考にしてください。
大変な場合は遺品整理業者に依頼する
自分で遺品整理をするのが大変な場合は、遺品整理業者に依頼することをおすすめします。
遺品整理業者は遺品の分類から処分・清掃まで、遺族のニーズを総合的にサポートしてくれるからです。
遺品の量が多い場合は、分類だけでもかなり大変な作業です。
慣れない作業で捨ててはいけないものを処分してしまったり、体調を崩す可能性もあります。
遠方に住んでいて遺品整理に行くのが難しい場合も、遺品整理業者を頼ることを検討しましょう。
遺品ドット東京は、経験豊富な遺品整理士が在籍しています。
遺品を故人の大切な思い出の品として丁寧に扱ってくれるので、安心して任すことができますよ。
遺品整理を業者に依頼する場合は、優良な業者を選択することが重要です。>>遺品整理業者の選び方の記事も参考にしてくださいね。
遺品整理の相続に関するQ&A
遺品整理の相続に関するQ&Aを紹介します。
遺品整理は誰がやる?
遺品整理は相続人が行います。
この理由は、相続人には遺品の所有権があるからです。
故人の所有物を相続した場合は、その整理も相続人の義務になります。
遺品は借金や負債なども含まれるので、相続をためらうケースもあります。
遺品整理はいつから始める?
遺品整理はいつから始めるということは決まっていません。
ですが、なるべく早くに始めることをおすすめします。
早めに遺品整理をすることで、
- 無駄な出費を防ぐ
- こころの整理がつく
- 忌引き休暇を利用できる
- 四十九日法要で形見分けができる
- 親族トラブルを防ぐ
などのメリットがあります。
詳しくは>>遺品整理は49日前がおすすめの記事を参考にしてください。
遺品整理はいつまでに終わらせなければいけない?
遺品整理をいつまでに終わらせるかは、各種手続きの期限に合わせます。
- 相続税の申告期限
-
故人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。
申告期限が過ぎた場合は、延滞税が課される可能性があります。
相続税は基礎控除を超えた金額に加算されます。 - 相続放棄の選択期限
-
「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内
3ヶ月以内に手続きをしなかった場合は、単純承認したとみなされます。
マイナスの財産も含めて、すべての財産を相続することを承認したとみなされます。 - 次の賃料や固定資産税が発生する前
-
賃貸住宅に故人が済んでいた場合は、次の賃料が発生する前に遺品整理を済ませるケースが多いです。
固定資産税は、1月1日に所有していた人に税金を支払う義務があります。
(参考:国税庁ホームページ 相続税の申告と納税)
遺品整理の時期については>>遺品整理はいつから始める?を参考にしてください。
まとめ
遺品整理は相続財産を確認するために重要です。
相続した実家を放置しておくと、固定資産税を払い続けなければならなかったり近隣トラブルなどのリスクがあります。
様々な手続きをスムーズに終わらせるためにも、早めに遺品整理は終わらせておきましょう。
遺品整理は故人の遺志を尊重し、遺族が前に進むための道を模索する手段になるものです。
相続人は故人の気持ちに寄り添い、遺族の絆が深められるやり方で遺品整理をおこないたいですね。
遺品整理の相続に関する悩みがある場合は、遺品整理業者に相談してみましょう。
遺品ドット東京は遺品整理に関する専門知識がある遺品整理業者なので、遺族のトータルサポートが期待できます。
まずは、気軽に相談することから始めてみましょう。