遺品整理はいつまでにやるという明確な決まりはありません。
ですが、四十九日の間に遺品整理をすることで故人の心残りを断ち切り、あの世に旅立つ支度を整えることができると仏教では考えられています。
他にも、49日前に遺品整理をすることをおすすめする理由は、
- 無駄な出費を防ぐ
- 気持ちの整理がつく
- 忌引き休暇中にできる
- 四十九日法要で形見分けができる
- 親族トラブルを防げる
などがあげられます。
遺品整理を49日前に行う場合は必ず親族の合意を得て、できれば一緒に行うとよいでしょう。
49日前に遺品整理を行うのがおすすめな理由、注意点を紹介しますので参考にしてください。
遺品整理は49日前がおすすめ
遺品整理は49日前に行うことをおすすめします。
四十九日法要までに遺品整理を済ませたいという遺族は多いのではないでしょうか。
49日前に遺品整理をおすすめする理由はいくつかあります。
- 理由①無駄な出費を防ぐ
- 理由②気持ちの整理がつく
- 理由③忌引き休暇中にできる
- 理由④四十九日法要で形見分けができる
- 理由⑤親族トラブルを防げる
49日前に遺品整理をすることをおすすめする理由をそれぞれ紹介します。
遺品整理を行う時期については>>遺品整理はいつから始める?の記事も参考にしてください。
理由①無駄な出費を防ぐ
無駄な出費を防ぐことができるので、49日前に遺品整理をおすすめします。
なぜなら、
- 把握していない請求の存在に気づく
- 相続税の算出がしやすくなる
からです。
把握していなかったサービスの存在に気づければ、利用していないのに支払い続けることなく解約できますし、支払いが遅れて不要な料金を支払うといったことも防げます。
相続税の申告書の提出期限は、被相続人の死後10カ月以内と定められています。
この期限を過ぎると税金の控除が受けられなくなるだけでなく、延滞税が発生してしまいます。
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うことになっています。
参考:国税庁ホームページより
理由②気持ちの整理がつく
遺品整理を早くすることは、気持ちの整理がつくという点でもおすすめです。
相続や各種手続きを進めることができることと、気持ちを切り替えることができるからです。
遺族がどんなに悲しい思いをしていても、相続税の申告や手続きは期限が設けられているものがほとんどです。
遺品整理を先延ばしにしていると、手続きの期限が気になり落ち着かず、不安な気持ちにもなります。
早めに遺品整理に取り組むことで、故人と向き合うことができるでしょう。
理由③忌引き休暇中にできる
忌引き休暇を利用して遺品整理ができるので、早めの遺品整理をするとよいでしょう。
平日の日中に、役所の手続きや業者依頼を効率よく完了することができるからです。
遺品整理の手続きで役所に行く必要があっても、仕事の都合でなかなか行けないケースが多いです。
忌引き休暇を使えば、親族で一緒に遺品整理をスムーズに進めることができるでしょう。
理由④四十九日法要で形見分けができる
49日法要で形見分けができることも理由の一つです。
遺品整理を49日前に行えば、だれに何を渡すのかリストアップしたり、持ち帰りの準備をすることができるからです。
49日法要では、故人の親族や親しかった人たちが集まるので、遺品の形見分けに最適の場です。
改めて形見分けの連絡をしたり、渡すのに日にちを割くのは遺族にとっても負担になります。
形見分けについては>>遺品整理での形見分けのマナーの記事を参考にしてください。
理由⑤親族トラブルを防げる
親族トラブルを回避できることも、四十九日前に遺品整理をおすすめする理由です。
遺品整理では、親族間の意見が割れる可能性があるからです。
49日までは親族が集まる機会が必然的に増えます。
その期間内に、遺品整理の対象となる遺品について話し合いの時間を設けることで、納得して相続・形見分けを行うことができます。
遺品を勝手に持ち去ったり、処分・売却をしてしまうと、親族間でトラブルになることもあります。
遺品整理を49日前にする注意点
遺品整理を49日前にする際の注意点も確認しておきましょう。
- 親族の合意を得る
- 捨ててはいけないものを処分しない
- 相続放棄できなくなる
- 宗教上・文化上の配慮
遺品整理は49日以降に行うと思っている親族がいるかもしれません。
いつ行うかは必ず親族間で共有しておきましょう。
親族の合意を得る
遺品整理を行う場合は、親族の合意を得ることが重要です。
勝手に遺品整理を行うと、トラブルに発展する可能性もあるからです。
特に貴金属や骨とう品など価値のあるものは、親族間で意見が割れることが多いです。
価値が無いように思えても、誰かにとっては大切なものかもしれません。
49日前に遺品整理を行うことは必ず周知し、納得の上で遺品整理を行うようにしましょう。
捨ててはいけないものを処分しない
遺品整理を行う際は、捨ててはいけないものを処分しないように気を付けましょう。
相続や契約の手続きが困難になる可能性があるからです。
捨ててはいけないものの例はこちらを参考にしてください。
- 遺言書
- 財産分与で必要なもの
- 身分証明書
- 年金手帳
- 印鑑
- 仕事関係の書類
- 鍵
- 請求書・支払通知書
- デジタル遺品
誤って重要な書類を捨ててしまうと、契約の解除などに手間取り金銭的な負担が発生するかもしれません。
相続手続きなどで、親族間のトラブルを回避するために、遺品整理はできるだけ親族協力のもとに行いましょう。
一人ですると大切なものを捨ててしまう可能性があります。
一緒に確認したり相談しながら遺品整理は進めていきましょう。>>遺品整理で捨ててはいけないものを参考にしてください。
相続放棄できなくなる
遺品整理を行うと相続放棄できなくなることも認識しておきましょう。
遺品を売却したり預金を引き出したりすると、相続を承認したとみなされるからです。
故人に借金や負債がある場合、相続人が引き継ぐことになります。
相続に承認すると残された財産だけでなく、負の財産も相続するので相続放棄したい場合もあるでしょう。
遺品整理をすると、相続を承認したとみなされ相続放棄することができなくなります。
遺品整理と相続放棄については>>遺品整理は相続放棄後してはいけないで詳しく紹介しています。
宗教上・文化上の配慮
宗教や文化によっては一定期間、遺族の行動に制限がある場合があります。
この場合は、遺品整理も配慮が必要です。
勝手に遺品整理をしてトラブルにならないよう、あらかじめ連絡してから遺品整理を始めましょう。
遺品整理を49日前にすることについてQ&A
遺品整理を49日前にすることについてQ&Aで紹介します。
49日まで魂は家にいる?
仏教によると、四十九日までの間は魂がたどり着く先が決まっていないと考えられています。
なので、どこに行くかわからずさまよっている状態。
家の近くにいたり、近親者の様子を見に行っているともいわれます。
49日まで魂はどこにいるのか、気になりますよね。
49日に極楽浄土に行けるか最後の審判を受けるまでは、故人の魂は家にいると考えられています。
49日を過ぎると故人の魂が生前の世界と来世との間を彷徨う「中陰」の期間は終わり、魂は浄土へと旅立つとされています。
それまでは故人の魂が家でくつろげるよう、遺族も故人の冥福を祈り、つつましく過ごすことが望ましいかもしれません。
亡くなった人の衣類を処分する時期はいつ?
明確に決められてはいませんが、
- 四十九日
- 百日法要
- 一周忌
の後に行うのが一般的です。
法要の時には親族が集まるので、遺品整理や形見分けの話し合いができるからです。
勝手に衣類などを処分すると、トラブルになる可能性もあります。
親族で話し合いをして、納得のいく形で衣類の処分をすることをおすすめします。
衣類の遺品整理については>>遺品整理の衣類処分の記事も参考にしてください。
亡くなった人の物が捨てられない……。
亡くなった人の物が捨てられない場合は、時間が解決するのを待ってもよいでしょう。
悲しみに浸ることで、故人の不在やつらい気持ちに向き合うことができるからです。
遺品を処分することに罪悪感をもって捨てられない場合もあります。
遺品整理は故人の物をごみとして捨てるわけではなく、故人との思い出を整理することと考えましょう。
気持ちが落ち着いてから遺品整理を行っても問題ありません。
ですが、自分で行うのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼するのも検討しましょう。
遺品を大切な思い出の品として扱い、適切に処分してくれるだけでなく遺族の気持ちに寄り添ったサポートをしてくれるはずですよ。
49日までの外出は控えるべき?
49日までは遊びなど外出は控えることが望ましいでしょう。
亡くなってから49日間は、故人が極楽浄土に行けるかどうかの大切な期間だからです。
四十九日までは7日ごとに閻魔様の裁きを受け、49日目に極楽浄土に行けるかどうか最後の審判をうけるとされています。
そのため、四十九日の期間は重要な局面にある故人に対して不謹慎なので、祝い事や遊びは控えるべきといわれています。
49日までに起こることは以下を参考にしてください。
- 仏壇の購入
- 本位牌の準備
- 四十九日法要の準備
- 香典返しの準備
宗派によっては、
- 49日までの祭壇にご飯をお供えする
- 四十九日までは電気つけっぱなし
など、遺族が家にいる必要があるケースもあります。
49日まで家に誰もいないという日が無いことを求められる場合もあります。
家族もこの期間は穢れを持っているので、行動を制御して静かに生活することが望ましいとされています。
まとめ
遺品整理は49日前にすることをおすすめします。
無駄な出費を防ぎ、親族トラブルを防ぐなどメリットがたくさんあるからです。
遺品整理をすることで、遺族の心の整理も早くできるかもしれません。
49日前に遺品整理をする場合は、親族の合意を得て納得のいく形で行うことが重要です。
遺品整理を自分たちで行うのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼することも検討しましょう。
遺品ドット東京は経験豊富な信頼できる遺品整理業者です。
遺族の気持ちに寄り添い、適切なアドバイスやサポートが期待できますよ。
遺品整理の悩みがある方は、気軽に相談をしてみてくださいね。