遺品整理と特殊清掃は違う作業です。
遺品整理:故人の遺したものを必要なものと不用品と仕分けて適切に処分すること
特殊清掃:通常の清掃で対応できない状況の清掃・消毒を行うこと
少子高齢化・核家族化など社会構造が変化することで、遺品整理・特殊清掃の需要は高まっています。
実際に自分が問題に直面した際は、信頼できる業者に依頼することが重要です。
特に特殊清掃は専門的な知識や技術が必要な作業なので、プロの業者に依頼することが必要ですが悪質な業者によるトラブルは絶えません。
- 遺品整理・特殊清掃の違いについて
- 業者の選び方
について紹介していますので、遺品整理・特殊清掃が必要な状況に適切に対応するための参考にして下さい。
遺品整理と特殊清掃の違い
遺品整理と特殊清掃はどちらも人が亡くなったときに必要なサービスです。
それぞれ目的や内容が異なります。
遺品整理 | 特殊清掃 | |
---|---|---|
目的 | 故人の遺品を整理して仕分け、処分すること | 孤独死などの現場の汚れや悪臭を除去すること |
内容 | 故人の部屋や家を片付けて不用品を処分する 遺品の売却やリサイクル・形見分け | 血液・体液・腐敗物などの汚れを除去する 死臭・悪臭の消臭 壁や床の消毒 害虫の駆除 |
特徴 | 精神的・体力的に負担が大きい 遺族や親族が行う場合が多いが業者に依頼することもできる | 専門的な知識と技術が必要 特殊な機器や薬剤を使用して通常の清掃では対応できない状況で行われる |
それぞれ確認しておきましょう。
遺品整理とは
遺品整理とは、故人の遺したものを必要なものと不要なものに仕分け、適切に処分することです。
不用品は廃棄・売却・リサイクルなど、遺族の希望に沿って処分します。
故人との思い出として形見分けをしたり、供養を行う場合もあります。
主に遺族や親族で行われることが多い作業ですが、体力的・精神的に負担の大きい作業です。
状況によって専門業者に依頼する場合もあります。
遺品の量や種類によって、遺品整理を行う時間や手間は変わってきます。
遺品整理における買取については>>遺品整理はリサイクル・買取がおすすめ!でも紹介しています。
特殊清掃とは
特殊清掃とは、特定の状況で通常の清掃では対応できない場所を清掃、消毒を行うことです。
自殺や孤独死などの現場で行われます。
血液や体液などを徹底的に除去し、悪臭の消臭をするケースもあります。
専門的な知識と技術が必要な作業で、感染症のリスクがあったり精神的な負担が大きかったりする場合が多いです。
遺品整理と特殊清掃の繋がり
遺品整理と特殊清掃は密接に繋がりがあります。
なぜなら、遺品整理を行う状況によって特殊清掃が必要となる場合があるからです。
例えばゴミ屋敷・孤独死の現場となったケースでは、遺品整理の際に特殊清掃が必要となります。
特に特殊清掃は専門的な知識と技術が必要な作業です。
特殊清掃が必要な状態の場合は、遺品整理を業者に依頼する際に特殊清掃にも対応している業者を選択すると良いでしょう。
遺品整理・特殊清掃の料金
遺品整理・特殊清掃の料金をそれぞれ確認しておきましょう。
遺品整理の料金
遺品ドット東京の料金表を参考にして下さい。
遺品整理業者の料金・費用の目安 | 間取り |
---|---|
23,000~100,000円 | 1K/1R |
36,000~150,000円 | 2K/1DK |
58,000~250,000円 | 1LDK/2DK |
76,000~350,000円 | 2LDK/3DK |
94,000~450,000円 | 3LDK/4DK |
遺品整理の費用は、
- 遺品の量
- 遺品の種類
- 立地
などの要因で、大きく変動します。
現地調査を行うことで正確な費用の見積もりがわかるので、業者に依頼する際は出張見積もりをしてもらいましょう。
遺品整理の費用は>>遺品整理の費用はいくら?の記事で、料金相場や費用を安くする方法を紹介しているので参考にして下さい。
特殊清掃の料金
特殊清掃は基本料金が約5万円~15万円程度です。
間取りや状況によって変動するので、正確な料金は見積もりを出してもらいましょう。
これに加えて状況に応じてオプションが追加されます。
オプションの料金の目安はこちらの料金表を参考にしてください。
作業内容 | 作業費用 |
---|---|
床上清掃 | 30,000円〜 |
浴室清掃 | 30,000円〜 |
消臭剤・除菌剤の散布 | 10,000円〜 |
畳の撤去 1枚 | 3,000円〜 |
オゾン脱臭 1日 | 30,000円〜 |
汚物撤去 | 20,000円〜 |
害虫駆除 | 10,000円〜 |
特殊清掃の費用は、状況によっては高額になることもあります。
遺族が経済的に余裕が無い場合や、ほとんど付き合いのない親族の場合などは払えないというケースもあります。
賃貸物件の場合は大家さんや不動産会社に相談して保険が適用されるか確認してみましょう。
業者によっては分割払いに対応していることもあります。
特殊清掃については>>遺品整理と特殊清掃の繋がりの記事で具体的な作業内容について紹介しています。
孤独死の現場はにおいが気になるというケースが多いです。
消臭もする場合は数日かかることもあります。
遺品整理・特殊清掃の需要の高まり
遺品整理と特殊清掃の需要は大きく増加しています。
その要因として、
- 少子高齢化
- 核家族化
- 孤独死問題の増加
などが考えられます。
高齢化が進むことで、孤独死や一人暮らしの高齢者は増加しています。
核家族化が進んだことで、業者に頼む人が増えたと考えられるでしょう。
孤独死の場合も、家族が近くにいないので発見が遅れて特殊清掃が必要になることも多いです。
特殊清掃が必要になる例
特殊清掃が必要になる例は以下です。
- 孤独死
- ゴミ屋敷
- 病死
- ペットとの同居
一人暮らしをしていた高齢者や病気を患っていた人が、誰にも発見されずに長期間放置された場合、特殊清掃が必要になります。
体液の流出や感染症のリスクがあるので、不用意に立ち入らないようにしましょう。
ゴミ屋敷では、ゴミやほこりが大量に蓄積しているので通常の清掃では対応できません。
ペットの排せつ物や死骸が遺されていた家屋も、専門的な清掃が必要になります。
- 血液・体液の付着
- 死臭・腐敗臭などの悪臭
- 害虫・害獣の発生
- カビの発生
- 建物の損傷
上記の状況の場合は、感染症のリスクもあり専門業者による清掃が不可欠です。
精神的な負担も大きく体調を崩す可能性があるので、専門業者に相談することをおすすめします。
特殊清掃の作業内容
特殊清掃の作業内容は以下です。
特殊清掃の作業内容 | 詳細 |
---|---|
現地調査 | 血液・体液・腐敗物が付着している場所を確認する |
汚染物の除去 | 特殊な洗剤や道具で汚染物を除去する |
消毒・除菌 | 強力な消毒剤を使って細菌やウイルスを消毒・除去する |
消臭 | オゾン発生器や消臭剤などで腐敗臭などの悪臭を取り除く |
清掃 | 床・壁・天井などの汚れを清掃する。原状回復を目指す |
廃棄物の処理 | 汚染されたものを適切に処分する |
害虫・害獣の駆除 | ゴキブリやハエ、ネズミなどの害虫・害獣を駆除する |
リフォーム | 壁や床が腐食したりしていた場合は張替えなどを行う |
孤独死などの発見が送れた場合、体液や流出したり腐敗が進んでしまいます。
衛生状態が悪化している部屋には立ち入らず、専門知識のある業者に依頼しましょう。
遺品整理・特殊清掃を依頼する業者の選び方
遺品整理・特殊清掃を業者に依頼する場合の選び方を確認しておきましょう。
信頼できる優良業者に依頼しないとトラブルになる可能性があるからです。
- 事前に現場確認をする
- 作業実績が豊富
- スタッフの対応が丁寧
- 見積もりが無料
出張見積もりをしてもらって、スタッフの対応や見積もりの内容をしっかり確認しましょう。
ホームページなどで実績が豊富な業者に選ぶと安心ですよ。
遺品整理の業者は必要な許認可があるなど行政機関との関わりが重要です。
廃棄物の処理や遺品の買い取りなどの資格がきちんとある業者か見極めましょう。
>>遺品整理業者の優良業者おすすめランキングでおすすめの優良業者を紹介しています。
事前に現場確認をする
見積もりの際、現場の確認をしてくれる業者を選びましょう。
実際の状況を確認して見積もりを出してもらわないと、正確な金額はわからないからです。
メールや電話だけで見積もりを出す業者は、作業が完了してから高額の追加請求をする可能性があります。
事前に現場の状況を確認して正確な見積もりを出してもらうことが重要です。
作業実績が豊富
ホームページなどを確認して、作業実績が豊富であることを確認しましょう。
過去の実績から自分の依頼したいケースの費用相場が確認できますし、経験豊富な業者には効率的に作業を行ってもらえるからです。
経験のない業者は、遺品を乱暴に扱ったり破損してしまう恐れがあります。
適切に遺品を取り扱ってくれないので、遺族の方が不快な思いをする可能性も。
作業実績を確認できる業者がおすすめです。
スタッフの対応が丁寧
スタッフの対応が丁寧な業者を選びましょう。
悪質な業者はため口で話したり乱暴な言葉遣いをするケースが多いからです。
遺族の気持ちに寄り添って、丁寧な言葉遣いをする業者は信頼できるでしょう。
悪質業者とのトラブルについては>>遺品整理業者のトラブルの記事で、気を付ける点を詳しく紹介しています。
見積もりが無料
見積もりが無料な業者を選ぶと良いでしょう。
ほとんどの業者は見積もりは無料で行いますが、トラブルになるような業者は見積もりが有料だというケースがあるというのが理由です。
見積もりを取ったら以下の点を確認しましょう。
- 見積もり書に責任者印がある
- 追加オプションについて説明がある
- 作業内容の詳細がわかる
見積もりは相見積もりをとり、サービス内容や費用を比較検討することが重要です。
遺族の要望をしっかりと聞いて対応してくれる業者は信頼できるでしょう。
まとめ
遺品整理を行う際、特殊清掃が必要となるケースがあります。
遺品整理は遺族だけでも行うことが可能ですが、特殊清掃は専門業者に対応してもらう必要があります。
社会構造の変化から、遺品整理・特殊清掃の需要は高まっています。
自分が遺品整理・特殊清掃を業者に依頼しなければならなくなった場合、信頼できる業者に依頼することが重要です。
人生において何度も体験することではないので、慣れているという人は少ないでしょう。
トラブルになることなく遺品整理・特殊清掃を完了させるために、業者を選ぶ際は慎重に行いましょう。